評価:
雫井 脩介
PHP研究所
¥ 1,680
(2011-11-10)
コメント:テレビに放送されるシニアクラスしか知らなかったので、フィギュアスケートのそこまで登るまでの、ジュニアクラスの熾烈な戦いを知ることが出来て勉強になりました。


フィギュアスケートの世界を舞台に、
母と娘の絆を描く、筆者渾身の長編小説。

夫の浮気で離婚。
娘の小織とともに名古屋へと転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、転居に伴い、それまで受けていた神奈川のコーチに紹介されたフィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘の競技人生を支えることに生きがいを感じ始める。
スケートクラブ内の異様な慣習、元夫の会社の倒産で途絶えはじめた養育費。
娘にフィギュアを続けさせるための費用に悪戦苦闘する中で、練習方針をめぐるコーチとの軋轢。
人生の全てを懸ける梨津子の思いに戸惑いを感じながらも、小織は成績を上げていき、やがてシニアを目指していく・・・・。


浅田真央ちゃんをはじめ、村上佳菜子ちゃん、今井遙ちゃんなど、
一般的には有名なシニアクラスしか見かけることがない。
しかし、そこまで辿り着くためには才能はもとより、並々ならぬ練習と努力と資金と、そして家族の強力な支援がなければ到底叶わないのだと痛感しました。

もちろんフィクションではありますが、
読みながらも現役のあの選手、引退したあの選手と連想されることも。
美濤コーチはタラソワコーチ、諒子コーチはマチココーチのイメージでしょうか?
よくもここまで調べ上げて描いたものだと感心します。
小織は今井遙ちゃんのイメージで読んでました。



読みながら、スイミングの世界にも似たような雰囲気があるなぁと感じました。
育成クラスから準選手になって選手コースへ進む。
そしてジュニアオリンピックを目指し、さらに頂点の世界水泳やオリンピックへ。

この物語は、シニアへと昇りゆく娘よりも、その母親の成長の物語です。
最期の娘・小織と母・梨津子のシーンにジーンとしました。
本当に母親というものは子どものためにはどこまでも強くなるんですね。
ミステリーとはまた違う感動を味わえました。


JUGEMテーマ:読書
 

待ちに待った宮部みゆきさんの「お江戸もの」です。
「ぼんくら」「日暮らし」に続く井筒平四郎シリーズ最新作です。

ファンのみなさんにお待たせしてしまったと言うことで、
単行本とともに、いきなり文庫本が発売です。
これは嬉しいですね。

上下巻あわせておよそ1200ページの長編。
かなり読み応えがあります。
でも、面白いからどんどん読み進んでしまいますけど。


【概略】
橋のたもとで斬り殺された人像がなかなか消えない。
身元不明のその被害者を捜査している最中、
痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人・新兵衛が斬り殺された。
本所深川の同心・平四郎は将来を嘱望される若手同心の信之輔と調べに乗り出す。
検分にやってきた変わり者「ご隠居」源右衛門はその斬り口が、
先日見つかった身元不明の亡骸とまったく同じだと断言する。
両者に通じる因縁とは何なのか。

父親が斬り殺された瓶屋を仕切ることになった17歳の一人娘史乃。
気丈に振る舞う彼女を信之輔は気にかける。
一方、殺された瓶屋主の新兵衛が、
もとの奉公先だった生薬問屋「大黒屋」の当主から明かされた20年前の因縁と隠された罪。
平四郎の甥っ子・弓之助は絡まった人間関係を解きほぐすことが出来るのか・・・。


やっぱ、宮部さんの「お江戸もの」は天下一品です。
ホントに現代ミステリーを書いているときときとは明らかに違っていて、
その筆致がいきいきと冴えまくっています。
宮部さんの現代ミステリーも好きですけど、
時代物はホントに数段上物ですね。

ひとの心情の機微。
一人ひとりのキャラクターの性格的な表現。
まったく、よくこういう風に書けるものだと感心します。

読み終わったときに名残惜しくなる小説です。

もっともっとこの世界観に、
この宮部みゆき・お江戸ワールドに浸っていたいと思う。
最高のエンタテインメントですね。

あぁ、はやく新作が読みたい・・・・。(>_<)



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東野小説に、加賀シリーズ、ガリレオシリーズに加えて、
いよいよ3人目のヒーローの誕生か!?

【概略】
都内で起きた3件の不可解な連続殺人事件。
犯行現場には謎の数字の目もが残されていた。
新田はその数字が次の犯行場所の緯度経度を示していることに気づいた。
次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京。
しかし場所は特定されたものの、犯人も被害者も誰なのか分からない。
4件目の殺人を阻止するため、警察はホテルの従業員になりすまし潜入捜査を開始した。

ホテルのフロントクラーク役には新田刑事が就き、
それをサポートするためにホテル側からは山岸という女性フロントクラークがついた。
お互いに反発しあいながらも、次々と訪れる問題を抱えた客に対応しながら、
いつしかお互いの実力を認め合い信頼するようになっていく。

そんな時にひと組の結婚式に不審な動きが・・・。
4人目のターゲットはこの参加者なのか?


ついさっき読み終わりました。(笑)

自宅で読書なんてめったにないことですが、
仕事の空き時間で読んでいたのが残り十数ページだったので、
うちに持ち帰って読んでしまおうと思ったわけです。

なかなかおもしろく読みました。
ホントに、どんなことが原因でひとに恨みを買っているか分からないと言う怖さ。
実社会でも信じられない理由で犯罪が行われているのをニュースで見かける現代。
小説に中のことといっていられない世の中です。

ホテルという設定も今までになく、新鮮でした。
東野圭吾作家生活25周年特別刊行三部作の三作目と言うことらしいです。


刑事:新田浩介。
加賀恭一郎やガリレオ湯川学ほど冷静ではなく、
ちょっとカッカしちゃったり、ガッカリしちゃったり、
いたって人間的というか、これから成長していくんだろうなと思わせるキャラです。
これが新シリーズになっていくのかどうかは分かりませんが、
インスピレーションで事件に迫っていく新しいタイプです。



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【概略】
「亜紀ちゃんの話を、聞かせてください」
10年前に起きた、少女をめぐる忌まわしい事件。
児童相談所の元所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言を集める一人の男。

母親の内縁の夫の虐待から逃げ出すために、
わざと車にひかれて入院した事実や学校でのイジメなど明らかになっていく。
そして、事件には哀しくも恐ろしい結末が待ち受けていた・・・・。



昨年の「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作です。

店頭で手にしてみたら、普段接している年代の子どもが題材だったので、
気になって購入してみました。

証言者の言葉のみで構成されて、
取材している本人は一切登場しないという書き方は、
宮部みゆきの「理由」を思い起こさせます。
児童虐待というテーマもいままでも何度か選ばれてきた題材で、
特に真新しいものではないです。
でも・・・・。

児童相談所所長の隈部と他の証言者が交互の登場するスタイルで、
児童相談所の実態とともに、ぐんぐん物語に引き込まれます。
そのネイティブな長崎弁は著者が長崎県出身だからでしょうね。
取材されている人物の人となりを、
そのセリフ回しだけで表現させる筆力は素晴らしいです。

終盤で徐々に解明してくる事実。
そして最期の最期に明らかになる取材する男の正体に驚愕です。Σ( ̄□ ̄;)

全国のどこかでは、
いまもこういうひどい目に遭っている子どもたちがいるのだと思うと、
胸を締め付けられる思いがします。
児童相談所の実態を知る上でも一読の価値アリです。



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評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 1,700
(2011-06-06)



夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。
仕事で同じ町を目指していた湯川は少年と列車の中で出会い、
その宿に滞在することを決めた。

翌日、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。
その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。
彼はなぜこの美しい海を誇る海岸の町にやってきたのか。

地元警察は事故死と判断したが、湯川はいち早く他殺と見抜いていた。
警視庁の草薙の捜査協力に珍しく協力的な湯川。
はたして湯川が気づいた事件の真相とは何なのか。

「事件の決着を誤れば、ある人物の人生がねじ曲げられてしまうかもしれない」
事件の解決に慎重な湯川がいうある人物とは誰なのか・・・。


7月に読んだのですが、レビューするのをめんどくさがって9月になっちゃった。(笑)

恭平少年に対して、マジで張り合う湯川がおもしろい。
ちょっと人間くささを感じさせる湯川博士。
博士に出会って成長をする恭平少年。

最期はジーンと心に浸みました。
「麒麟の翼」よりはこっちのほうが好きですね。
僕的には限りなく5個に近い☆4個です。

次は何を読もうかなぁと迷っている方、
まだ読んでいない方はとりあえず読んでみてください。
お薦めです。


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