寒い夜、フラフラと酔っぱらい風の男が交番前を通り過ぎた。
ちょっと気になった巡査がそれを眼で追っていると、
日本橋の欄干にもたれかかるようにうずくまった。
近付いて声をかけた巡査が見たのは、
その男の胸に刺さったナイフだった。

間もなく近くの公園で不審な男(八島)が警官の職質に逃げ出し、
通りに飛び出した際にクルマに引かれ意識不明の重体となる。
捜査本部は、刺された男の財布を所持していた八島を犯人として捜査を進めるが、
加賀恭一郎は別の目線で捜査を進めていく。
そして明らかになった事件の真相は意外なものだった・・・。


東野圭吾さん本人いわく、加賀恭一郎シリーズ最高傑作だそうです。

今回のテーマは父と息子でしょうか。
刺された男と息子、加賀恭一郎とその父。

テレビドラマの影響なのか、こっちの読み手の心境の変化なのか、
それとも東野さんの意識的な作風の変化なのか、
どうも加賀恭一郎を阿部寛のイメージで読んでしまう。(笑)
しかもそれが何となく当て嵌まってしまう。
実写(ドラマ)のイメージっていうのはコワイですねぇ。

ちなみに今読んでいるガリレオシリーズ「真夏の方程式」は、
しっかりと福山雅治のイメージで読んでます。(笑)

ちょっと意外な展開だった今作は、
終盤まで犯人が分かりませんでした。
てっきり刺された青柳武明の部下が犯人かと思っていました。(^^;)

「赤い指」で登場した看護師の登紀子が再び出てきますが、
恭一郎がこの登紀子には頭が上がらない雰囲気で、なんか滑稽でした。
今後の作品で、このふたりに進展があるのかなぁ?と期待してしまう。

☆は満点の5つとまでは行かないけど、
なかなかおもしろかったです。


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評価:
京極 夏彦
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 940
(2010-10-23)


【ストーリー】
江戸郊外のとある廃屋に、いつのまにやら棲みついていた1匹の妖怪、豆腐小僧。
豆腐を載せた盆を持ち、ただ立ちつくすだけの妖怪である自分は、
豆腐を落としたとき、ただの小僧になるのか、はたまた消えてしまうのか―。
思い悩んだ小僧は、自らの存在理由を求めて旅に出る!軽快な講談調で、
小僧が出会う鳴屋や死に神、鬼火との会話の中から現れてくる妖怪論。
妖怪とは、いったい何なのか?


京極さんらしい妖怪の解釈。
言われてみればそうかなぁと思わず納得しちゃう。
屁理屈と言えばそうなんでしょうけど。(笑)

京極さんの作品にしては厚さ控えめです。
それでも普通の文庫から見たら2冊分ですけど。(笑)


僕が買ったのは上のような表紙ではなかったです。
アニメ映画化に伴って表紙も変わったようですね。
以前はこういう表紙でした。




別に映画化になったから購入したわけではなくて、
昨年末に買いおいたのを今年になって読み始めたと言うわけです。

しかし読み終わるまでにはかなり時間がかかりました。
読み始めたのはまだ雪の降る2月の末。
読み終わったのがつい最近。

その間にカメラ雑誌や総合誌やムック誌なども読んでいて、
震災なども重なってこんなに時間がかかってしまった。

それになんだか最近、読書が進まないんだよねぇ。
やたらと眠くて、少し読むとすぐ眠くなってしまう。
春のよう気のせいでしょうか?


テレビCMに流れているせいか、
豆腐小僧は子どもたちに大人気です。
とはいっても映画化のかわいいらしい方ですけど。



ほんとにかわいらしくなり過ぎですよね。
バスの中に置いている文庫本の豆腐小僧を見ては「怖い」とか「キモイ」とか言ってます。


アニメ版ではストーリーもかなり違うようです。
豆腐小僧が現代にタイムスリップするんですね。
キャラクターもみんな愛嬌があるし、おもしろそうです。
アニメのかわいいキャラは子どもたちには受けそうです。


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評価:
中島 京子
集英社
¥ 550
(2010-09-17)
コメント:出戻りや引きこもり。いつの間にか4世代8人の大所帯。トラブル続きの中にも一人ひとりが前に向かって歩き始める。


最近は1ヶ月のうち半分以上はカメラ雑誌や総合誌を読んでいて、
なかなか以前のように小説が読めなくなってきている。
それだけに、読むからにはおもしろい本を読みたいと思います。
何気なく手に取った本でしたが、今回はあたりでした。


【ストーリー】
三十路の引きこもり息子と90歳過ぎの姑と共に、
平穏に暮らしていた緋田夫婦。
そこにある日突然、破産した長女一家と離婚した次女が帰ってきて、
一気に4世代8人家族に。

物置に閉じこもる孫さとる。
離婚後に妊娠が発覚した次女友恵。
戦中の記憶と現在を混同する姑などなど。
平穏をこよなく愛する当主・龍一郎の思いをよそに、
次から次へと騒動が押し寄せる・・・。



初めて中島京子さんの作品を読みましたけど、
ホントにおもしろいですねぇ。

読みながらくすっと笑ってしまったり、
そんな中にも現代の家族像を考えさせられたり。
現実問題として明日にも体験するかも知れない自分の未来の姿かも?

のちに2人が増えて10人になるのですが、
各章が問題を抱えた9人それぞれの目線で描かれる全11章。
短篇としても楽しめる作品です。

読みやすくて実におもしろい。
書き方が実に上手いなぁと感心しました。
センスがいい。

各章のなかでも「時をかける老婆」というタイトルには笑ってしまった。

この作品で一気に中島ファンになりました。(^o^)


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評価:
畠中 恵
光文社
¥ 620
(2010-08-10)
コメント:恋する心は現代も江戸時代も一緒。むつかしくて切ない。


以前から気になっていた作家なんですが、
今回初めて手に取ってみました。

【概要】
下っ引き宇多の幼なじみの兄妹、千之助と於ふじが神田川で溺れ、
死んでいるのが見つかった。
自ら落ちたのか襲われたのか、真相は分からずじまい。
事故として処理されたが宇多は納得がいかない。
宇多は於ふじを好いていたが、その想いを伝えられないまま逝ってしまった。

その於ふじが幽霊になって帰ってきた。
神田川に落ちた真相を尋ねても肝心なことは覚えていなかった。

幼なじみ男女九人を巡る謎めいた事件と切ない恋もようを描く、
お江戸の若い恋の物語。


「しゃばけ」シリーズの妖怪もの?で有名ですが、
この「こころげそう」は幽霊は出てくるけど、お江戸の恋愛もの。
多少、ミステリーの要素も含まれている連作短編集。
各章がすすむにつれて、千之助と於ふじの死の真相も明らかに・・・。

宮部みゆきの「孤宿の人」にも下っぴきの宇多って女の子が出てくるので、
はじめは戸惑いましたけどこちらの宇多は男子。

ラストは何となく清々しい。
恋って切ないけどいいもんだなぁと、ちょっと思ってしまう。
そんな素敵なお江戸の若者達の物語。
もっと畠中 恵さんの作品を読みたくなりました。

若い人にも読みやすい時代物です。


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評価:
伊吹有喜
ポプラ社
¥ 1,470
(2010-02-16)
コメント:大切な人を亡くしたひとつの家族が、再生に向かうまでの四十九日間の物語。


たまには新しい作者の本も読んでみようと本屋さんで手にしたのがこれでした。

普通に「よんじゅうくにち・・・」と読んでいたら、
正確には四十九日法要の「しじゅうくにち・・」なんですね。


【概要】
 熱田家の母・乙美が亡くなった。
 乙美との最期の日を思い出してはそれを悔やみ、ダラダラと気力を失った日々を過ごしていた父・良平。
 突然、そこに訪れたのは、真っ黒に日焼けした・・・、いわゆる昔よく見たガングロやまんばメイクで金髪の女の子・井本。
 乙美の教え子だったという彼女は、生前の乙美に頼まれて、四十九日までのあいだ家事などを請け負うという。
彼女は乙美が作っていたある「レシピ」の存在を良平に伝えに来たのだった。
 同じ頃に夫の浮気相手に子どもが出来て心を痛めている娘・百合子が実家に帰ってきた。
 井本にはじめは怪訝な思いを感じながらも、良平、百合子父子は、母・乙美の「私の四十九日には明るく宴会をしてしてほしい」という遺言を実行すべく動くなかで、熱田家はそれぞれ再生への道を進み始めた。
 乙美の「レシピ」。
それは「私がいなくなっても、あなたが明日を生きていけるように」という、大切な人に送るメッセージだった。


ポプラ社の本ですから、ページ数は260ページほどで長くはない。
物語も四十九日間ですから。
短いけれど、とてもあったかい気持ちにさせてくれる本です。

父・良平と母・乙美のエピソードや、
井本とその友人ハルミの言動にちょっと笑ってしまったり。
そして最期は乙美の大きな愛にホロリとする。
なかなかの良書でありました。

別に狙って読んだわけでは無いんですが、
NHKでドラマ化するんですね。
これはちょっと楽しみです。

娘の百合子役は和久井映美。
母・乙美役は風吹ジュン。
父・良平の役には伊東四朗。
井本の役は徳永えり。

うん、なかなか良い配役だと思います。

ドラマ「四十九日のレシピ」は2月15日(火)夜10時から、
4週にわたって放送されます。

ドラマの前に原作を読むか、ドラマを観てからその配役で原作を読むか。
どちらにしても楽しめると思います。
最近のNHKはいいドラマを作るからね。

レシピのイラストがどんなイラストかというのも楽しみです。


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